お子さまの発疹やじんましんについて、保護者の方からの問い合わせがあります。
発疹の症状にも種類があるので、お子さまの体調や、様子を観察して適切な対処が必要です。
○発疹の種類
発熱を伴う発疹…ウイルスや細菌などによる感染症の発疹は発熱を伴います。免疫ができることにより症状は治まります。
発熱を伴わない発疹…かぶれやすいものに接触して起こるかぶれや、皮ふに細菌が侵入して起こるとびひ、食物アレルギーに代表されるじんましんがあります。
○じんましんのタイプ
じんましんには急性じんましんと慢性じんましんの2タイプに分かれます。
急性じんましんはアレルギーによるものが多く、皮ふだけでなく、喉の奥にできることがあります。その場合、呼吸困難を起こしてしまう可能性があるので十分注意してください。
○食物アレルギー
原因となる食べ物を食べて、主に2時間以内(多くは食べた直後から30分間)に、皮ふや粘膜、消化器、呼吸器などに症状が現れます。
○アレルギーが発症しやすい食べ物(左から上位4位)
乳幼児期は特にアレルギーを起こす食物特異IgE抗体が作られやすく、また、人に本来備わっている食物アレルギーを起こしにくくする機能が弱いためです。
0歳…鶏卵、牛乳、小麦
1歳…鶏卵、魚卵、牛乳、ピーナッツ、果物
2~3歳…魚卵、鶏卵、ピーナッツ、ナッツ類、果物
4~6歳…果物、鶏卵、ピーナッツ、そば・魚卵
7~19歳…甲殻類、果物、鶏卵・小麦、そば
20歳〜…小麦、魚類、甲殻類、果物
○症状が出てしまった時の対処法
食物アレルギーではないかと気になるときは、早めの受診をお願いします。食物アレルギーかどうかは、詳しい問診や検査を行い診断します。もし、食物アレルギーと診断された場合は、実際に食べて症状の出る食物だけを除去し、必要最低限の食物除去にとどめます。
○まれに見られる症状
アナフィラキシー…全身の複数の臓器に症状が発症する場合をアナフィラキシーといいます。
アナフィラキシーショック…アナフィラキシーよりもさらに血圧低下や意識障害を伴い、ぐったりする場合をいいます。
この場合、症状が短時間で進行して重篤な状態に陥り、命の危険を伴う可能性があるので、至急救急車を呼んでください。
乳児期や、幼児早期に発症した食物アレルギーは、3歳までに約5割、小学校入学頃までに8〜9割の方が治るといわれています。
原因食物の対応についての相談もお気軽にお問い合わせください。
エンゼルこどもクリニック 院長
- 医学博士 / 日本小児科学会 小児科専門医 / 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 / 日本血液学会 血液専門医
- 【所属学会】日本小児アレルギー学会 / 日本小児血液・がん学会 / 日本夜尿症学会 / 日本小児耳鼻咽喉科学会 など
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